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きょうの料理レシピ

ぬか漬け

入手しやすいいりぬかで、すぐに漬物を楽しめるぬか床レシピです。よけいなものは入れないシンプルなぬか床と、おすすめの野菜6種、生野菜以外の食材の漬け方をご紹介します。

ぬか漬け

写真: 邑口 京一郎

材料

(つくりやすい分量)

・いりぬか 450g
・米こうじ (乾) 50g
・粗塩 55~65g
*夏は野菜の水分が多くて塩分濃度が下がりやすいので、多めに入れる。冬は少なめでよい。
【おすすめの野菜】
・きゅうり
・パプリカ
・ミニトマト
・キャベツ
・なす
・オクラ
【生野菜以外のおすすめ食材】
・豆腐
・出がらし昆布
・割り干し大根

つくり方

ぬか床をつくる
1

清潔な保存容器に米こうじを入れ、全体に広げる。人肌くらいのぬるま湯550mlを加え、ふたをして30分間ほどおく。

! ポイント

米こうじの酵素がよく働く温度は30~50℃。酵素は60℃以上で働かなくなるので、熱い湯は使わないこと。ここでは、25.5×16×高さ7cm・容量1.9リットルのホウロウ製の保存容器を使用。

2

粗塩を加え、ゴムべらでよく混ぜて溶かす。

3

いりぬかを少しずつ加え、容器からこぼれないようにして、よく混ぜ合わせる。

! ポイント

いりぬかは一気に加えると混ざりにくいので、2~3回に分けて、そのつど、こうじになじませる。

4

表面をきれいにならしたら完成。すぐに野菜を漬けてよい。夏は冷蔵庫におく。ただし入れっぱなしだと乳酸菌が増えて酸っぱくなるので、時々常温に出す。ぬか床は1日1回、底から上下を返すようにかき混ぜて、空気を抜くように表面を押さえてならす。容器についた余分なぬかみそは、かびの原因になるので、きれいに拭き取る。

! ポイント

最初は塩辛いので、アクの少ない野菜を浅漬けにする。毎日野菜を漬けると、ぬか床の発酵がすすみ、1~2週間でいいにおいがして酸味が出てきて、おいしくなる。また、夏以外の季節は常温で保存する。

野菜を漬ける
5

●きゅうり
1本につき粗塩1つまみを全体にまぶして板ずりする。ヘタ側から2cmほど切り落とし、切り口をこすり合わせてアクを出す。表面の塩が溶けてきたらアクをサッと洗い流して水けをきり、ぬか床に常温で3~12時間(冷蔵庫なら半日~1日)漬ける。

! ポイント

切り口をこすり合わせると白い泡状のアクが出る。

6

●パプリカ
縦半分に切ってヘタと種を取り、空洞部分にぬかみそを詰め、ぬか床に常温で6~12時間(冷蔵庫なら約1日)漬ける。

7

●ミニトマト
ヘタを取り、ぬか床に常温で6~12時間(冷蔵庫なら約1日)漬ける。

8

●キャベツ
葉をはがし、大きければ半分に切る。ぬかみそを上面に塗ってクルクルと巻き、ぬか床に常温で半日~1日(冷蔵庫なら1~2日間)漬ける。芯を一緒に漬けても。

9

●なす
ヘタを取って半割りにし、1切れにつき粗塩2つまみをすり込み、しっかりともむ。最初はやさしくもみ、徐々に強くもんでいくと身が割れない。最後に力いっぱい絞って水けを出してから、ぬか床に常温で6~12時間(冷蔵庫なら約1日)漬ける。絞りが甘いと色が悪くなり、塩味がきつくなる。古漬けになると、色が抜けて白っぽくなる(味はいい)。

! ポイント

水けをしっかり絞ることで、色鮮やかに発色する。

10

●オクラ
ヘタやガクをつけたまま、ぬか床に常温で6~12時間(冷蔵庫なら約1日)漬ける。

野菜を切って盛りつける
11

野菜のぬか漬けはいずれも、ぬかみそを水でサッと洗い流して、食べやすく切って盛りつけましょう。オリーブ油をかけてもおいしい。白崎さんのおすすめの食べ方です。

生野菜以外の食材を漬ける
12

●豆腐
木綿豆腐は水でぬらして固く絞ったさらし(またはガーゼ)で包み、皿などのおもしをのせて30分間ほどおき、しっかり水けをきる。さらしから取り出し、さらしの水けを絞って再び包み、ぬか床に冷蔵庫で2~3日間(冬場は常温で1~2日間)漬ける。もっと長く漬けて古漬けにすると、珍味として楽しめる。ぬか床が堅いときに漬けると、豆腐から水分が出て、ぬか床が程よくゆるむ。

! ポイント

豆腐はくずれやすいので、さらしで包んで漬ける。ぬかみそを取り分けて別漬けにしても(全体備考「アボカドの別漬け」参照)。

●楽しみ方:オリーブ油と好相性!
豆腐を取り出し、食べやすく切る。器に盛り、オリーブ油適量をかけ、黒こしょう(粗びき)適量をふる。

13

●出がらし昆布
だしをとったあとの昆布をぬか床に常温で2日間以上(冷蔵庫なら3日間以上)漬ける。入れっぱなしにしてもよい。

! ポイント

●楽しみ方:納豆のたれのかわりに!
ぬかみそをサッと洗い流し、水けをよく絞る。細かく刻み、納豆と器に盛り、細ねぎ(小口切り)を散らす。しょうゆ少々、好みで練りがらしを加え、よく混ぜて食べる。

14

●割り干し大根
割り干し大根は戻さずにそのまま、ぬか床に常温で6~12時間(冷蔵庫なら約1日)漬ける。それ以上漬けるとぬか床の風味が悪くなるので注意。ぬか床がゆるくなったときに漬けると、余分な水分を吸収する。

! ポイント

●楽しみ方:たくあん風の仕上がりに!
ぬかみそをサッと洗い流し、水けをよく絞る。器に盛り、しょうゆ少々をたらす。ごま油で炒めても。

全体備考

◆ぬか床の材料について◆
生ぬかを使う場合は粗塩だけでよいが、加熱済みのいりぬかは発酵しにくいので、米こうじの酵素の力を借りて発酵を促す。乾燥の米こうじには板状の塊とバラがあるので、板状の場合はほぐして細かくする。粗塩にはミネラル分が含まれており、雑菌の繁殖を防ぎながら、発酵を促進させる。

◆初漬けは、じゃがいもがおすすめ!◆
じゃがいものでんぷんが乳酸菌のえさとなり、ぬか床の発酵をグーンと促します!じゃがいも3コは5mm厚さに切り、ぬか床にまんべんなく突き刺すように並べ、手のひらで押さえて埋め込む。ふたをして常温に1~2日間おく。じゃがいもがしんなりとしたら、ぬか床の上でぬかみそをよく落としてギュッと絞り、水分をぬか床に落として取り出す。じゃがいもは塩辛いので、ぬかみそがついたまま水につけて一晩おき、塩出しをしてから、炒め物など加熱料理に活用する。オリーブ油、にんにく、赤とうがらしでペペロンチーノ風に炒めるのがおすすめ。

◆野菜を漬ける時間◆
このレシピに書かれている漬け時間は、浅漬けとして食べておいしい時間の目安。もっと長く漬けて古漬けで楽しみたい場合は、塩辛いので塩出しして食べましょう。

◆漬け野菜の塩出し◆
野菜が塩辛いときは、ぬかみそがついたまま水につけて塩出しをする。ぬかみその塩分が呼び塩となり、野菜の塩分がよく抜ける。食べてみて塩辛くなくなったら、取り出して水けを拭く。

◆ぬか床の水抜き◆
ぬか床がゆるくなったら、角の部分をへこませる。角に水がたまったら、水を捨てる。

◆足しぬかの方法◆
ぬか床が少なくなったら、いりぬか50gにつき粗塩5gを混ぜ、ぬか床に加えてなじませる。
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●アボカドの別漬け
アボカドはそのまま漬けると溶けやすく、ぬか床の状態が悪くなってしまいます。一手間ですが、ぬかみそを取り分けて別漬けにしましょう。長芋や青菜(ほうれんそう以外)も同様に別漬けで楽しみます。

1.アボカドは半割りにして皮と種を除く。空洞部分にぬかみそを詰める。ぬかみそ適量を広げたラップの上に置き、包む。
2.ラップの上から、アボカド全体を覆うようにぬかみそをまぶす。バットなどにおいて常温で約3時間(冷蔵庫なら約半日)漬ける。
※長芋は常温で6~12時間(冷蔵庫なら約1日)、青菜は半日~1日(冷蔵庫なら1~2日間)漬ける。
3.取り出してぬかみそをサッと洗い流し、水けを拭く。食べやすい大きさに切り、器に盛る。

きょうの料理レシピ
2025/06/16 はじめての手仕事

このレシピをつくった人

白崎 裕子

白崎 裕子さん

神奈川県・葉山の海辺に建つ古民家にて、オーガニック料理教室「白崎茶会」を主宰。
小麦粉、卵、乳製品をつかわない、お菓子やパンのレシピを、日々、考案している。

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