“除脂肪体重”って知っていますか?~「健康を維持するための食事」Vol.4

松田早苗さんインタビュー#01
健康と食にまつわる情報をお届けする「健康キッチントピックス」。
5回にわたり、「健康を維持するための食事」について女子栄養大学短期大学部 教授 松田早苗さん(以下=松田)にお聞きします。第4回は「“除脂肪体重”って知っていますか?」です。

適切な食事がとれているかは除脂肪体重をチェック!

自分が適切な食事がとれているかどうか、確認する方法はありますか?

松田Vol.2では1日のエネルギー必要量の算出方法を紹介しましたが、計算で求めたエネルギー量が必ずしもその方に適正とは言えません。適正か否かは、毎日体重を計測し、体重やBMIの変化で評価することが多いのですが、体重やBMIは、脱水や浮腫による影響を受けるので、正確な評価とは言えないのです。
そこで、評価には、除脂肪体重を用います。
除脂肪体重とは、体重から体脂肪を除いた筋肉、骨、内臓などの重さのことで、うち7割は筋肉と言われています。
除脂肪体重が減少する場合は、エネルギー不足が考えられ、体調不良を招きます。除脂肪体重が増加する場合は、筋肉が増強していることを意味しています。
一方、体脂肪量が増加している場合は、エネルギーの過剰、または運動不足によるエネルギー消費量の不足が考えられ、肥満や生活習慣病を招きます。
除脂肪体重を減らすことのないよう、エネルギーをコントロールすることが重要です。

松田

除脂肪体重の計算方法

除脂肪体重(kg)は、体脂肪率が計測できる体重計であれば求めることができます。
除脂肪体重や体脂肪量の変化をみることで、日々の健康をチェックしましょう。

除脂肪体重(kg) = 体重(kg) −(体重(kg) × 体脂肪率(%)

(例)体重60kgで体脂肪率が22%の女性の場合の除脂肪体重
 60(kg)−(60(kg)×22/100)=46.8kg  

なお体脂肪率の標準値は、男性は「10〜20%未満」、女性は「20〜30%未満」とされています。

松田こまめに体重を計って、除脂肪体重の変動をみながら、1日の摂取エネルギー量を調整しましょう。健康キッチンのレシピに記載されているエネルギー量を参考に、献立を考えてみて下さい。

松田早苗さん、ありがとうございました。

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