知っているようで知らない「バランスの良い食事」のコツ~健康を維持するための食事 Vol.1

松田早苗さんインタビュー#01

健康と食にまつわる情報をお届けする「健康キッチントピックス」。
今回から5回にわたり、「健康を維持するための食事」について女子栄養大学短期大学部 教授 松田早苗さん(以下=松田)にお聞きします。第1回は【知っているようで知らない「バランスの良い食事」のコツ】です。

「バランスの良い食事」のコツ

健康になるため、健康を維持するために、普段の食事ではどんなことに気をつけたら良いでしょうか?

松田「バランスよく食べましょう!」の一言に尽きますが、そんなことは百も承知!何を今さら…と思いますよね。
でも、“バランス”って何? 一汁三菜のこと? 5大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルが満遍なく摂れる食事のこと? それともエネルギー量?… みなさんは日々の食生活において「栄養バランス」をどのように考えていらっしゃいますか?

松田

私もこの呪文のような言葉をよく使ってきましたが、難しく考えずに実践できる目安として、食事バランスのポイントを紹介したいと思います。ポイントは4つ、「回数」「量」「油」「味」です。

食事の回数

「回数」は1日の食事回数。朝昼夕の3食、できれば同じ時間に食べることをお勧めします。朝食を抜いて1日2食の人、1日1食の人もいたりしますが、欠食すると体を維持するために必要な栄養素が摂りきれません。さらに、欠食した分、1度に食べる量が多くなりがちで、脂肪が体内にたまり肥満になりやすく、血糖値や血中脂質が上昇し、生活習慣病に陥りやすくなるため、注意が必要です。

食事の量

「量」は、3食の量のバランス。3食同じようなボリュームを目指しましょう。朝食が少なめで夕食が多くなりがちな人が多いと思いますが、なるべく同じボリュームか、朝食が多めで夜軽めがベストです。

油の摂り方

「油」の摂り方についてです。これは、エネルギーの管理につながります。
例えば、主菜を揚げ物や炒め物などにするのであれば、副菜は油を使っていないおかずにして1食の中で、油を使う料理は1品にしましょう。

味のバランス

「味」については、甘み、塩み、酸味、うまみの味のバランスにも配慮が必要です。日本人はしょうゆを使った料理に偏り、塩分の摂取量が多くなりがちです。かといって、減塩のために、すべての料理の塩分を減らして薄味のものばかりになってしまうと食事の満足感が得られません。減塩に役立ち、かつ満足度を高めるには、1食のうちの一品はしっかりした味付けのものにして、ほかのものは薄味にしたり、酸味、うまみ、香辛料を使うなど、味にバリエーションをつける工夫をしましょう。

松田この4つの食事バランスのポイントを実践するにあたり、健康キッチンのレシピをぜひ活用して頂きたいと思います。バランスを考えてメニューを組み合わせ、自分なりの日々の「健康定食」をつくってみてはいかがでしょうか。

次回は「自分の適正エネルギー摂取量を知ろう」です。お楽しみに!

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