2019/04/09

【からだのための”食材ファイル”】季節の人気食材 vol.7 キャベツ PR

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今回は キャベツ です。
 

高い栄養価に加え胃腸の保護作用も

 キャベツは大変栄養価が高い野菜で、ビタミン類を多く含みます。免疫力を高め、肌の調子を整える働きがあるビタミンCや、止血や骨作りに欠かせないビタミンK。胃腸の働きをサポートするビタミンU。キャベジンとも呼ばれる成分では多くの胃腸薬にも配合されています。
 ビタミンCもUも水溶性なので、水にさらしすぎるとどんどん流れ出てしまいます。また、熱に弱いため、生食がおすすめ。殺菌作用やがんの予防効果も期待される辛味成分アリルイソチオシアネートも含んでいます。
 日本へは江戸時代に伝わりましたが、当初は結球していない葉牡丹のような野菜でした。明治時代になると洋食文化とともに人気が上昇し、結球型の品種も導入されました。
 一年中手に入る野菜ですが、季節によって品種や産地が異なります。春から初夏に出回る春キャベツは葉がやわらかく、巻きがゆるくて軽いのが特徴。秋から冬が旬の冬キャベツは葉が厚く、巻きはかためですが、甘みがあります。

 
 

キャベツ 基本情報

英名 Cabbage
和名・別名 甘藍(カンラン)
エネルギー(100g中) 23kcal
糖質量(100g中) 2.6g

1個あたり:1200g
正味:1000g/230kcal
葉1枚:95g
正味:80g/18kcal

食品成分表(可食部100gあたり)

たんぱく質……1.3g
脂質……0.2g
炭水化物……5.2g
無機質
 カルシウム……43mg
 鉄……0.3mg
ビタミン
 A β-カロテン当量……50μg
 B1……0.04mg
 B2……0.03mg
 C……41mg

薬膳の考え方から見た食品特性

五味…甘
五性…平
帰経…肝・胃

 

保存法とおいしさの見分け方

保存法

丸ごとのものはポリ袋に入れて、カットしたものはラップで包んでから冷蔵庫の野菜室へ。芯をくり抜いて、湿らせたキッチンペーパーを詰めておくと、長持ちする。

おいしさの見分け方

  • ハリとツヤがある
  • 鮮やかな緑色
  • みずみずしく、変色やひび割れがない

流通カレンダー

キャベツの種類

ちりめんキャベツ

別名サボイキャベツ。葉が縮れている。煮込み向き。

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赤キャベツ

アントシアニンを含む。紫キャベツとも。

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グリーンボール

少し小ぶりだが、やわらかく、生食向き。

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芽キャベツ

葉の付け根にできる脇芽が結球したもの。ビタミンCが豊富。

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キャベツ豆知識

キャベツ炒めは強火で一気に icon-02-4

キャベツには脂溶性のβ-カロテンがわずかに含まれる。β-カロテンは加熱しても安定なので、大きな鍋を使い、高温に熱したら、一気に調理。こうすると水っぽくならず、ビタミンCを閉じ込めたまま仕上がるので、結果的にはビタミンCの残存率が高くなる。
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機能性成分もたっぷり icon-02-4

グルタミン酸、アスパラギン酸、スレオニンといったアミノ酸を含む。グルタミン酸やアスパラギン酸は速効性のエネルギー源となり、疲労回復作用がある。スレオニンは酵素の生成成分となる。グルタミン酸はだしに含まれる旨み成分としても知られている。
また、フラボノイドの一種であるケンフェロールも含有。ケンフェロールには抗炎症、抗がん、抗アレルギー、抗うつなど、多くの働きも。

カットキャベツ1袋を目安に

1日に必要な野菜の量は350g。数字は覚えていても、分量はなかなかイメージしにくい。そんなときはスーパーやコンビニで売っている袋入りのカットキャベツを目安に。1袋は100gや150g入りのものが定番。
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生キャベツが優れているところ icon-02-4

ビタミンCやUをたっぷりと摂れるので、キャベツの生食はおすすめ。千切りキャベツはカットした断面が多いのでアリルイソチオシアネートが発現しやすく、効果がより期待できる。この成分は揮発性なので刻みたてのほうがよい。

芯の部分の栄養がすごい! icon-02-4

主に食用にしている葉の部分と、白い芯の部分の栄養を比較してみると、芯の部分にはカルシウムやカリウム、リン、マグネシウムなどのミネラル類が葉の倍以上含まれている。生食の際に廃棄してしまいがちだが、薄くそいだり、細かく刻めば食べやすくなる。せっかくの栄養成分を無駄にしないように。
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「キャベツ・ファースト」

とんかつの隣には必ず千切りのキャベツが添えられている。胃もたれを防ぐ組み合わせで、作用を高めたいなら、キャベツを先に食べるのがよい。
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季節による栄養価の違い icon-02-4

1年を通じ、ビタミンC の含有量を調べてみると、冬から春に出回るキャベツは高い数値を出したが、夏から秋のものは成分表の表記よりも下回った。季節による変化が比較的少ないのはβ-カロテン。

世界各地で湿布にも利用 icon-02-4

キャベツを使った湿布は世界各地で古くから行われている療法のひとつ。腰痛や関節痛、捻挫など、炎症が起こっているときには生の葉を、炎症が鎮まったら温湯で温めた葉を患部にあて、皮膚を通してその有効成分を浸透させる。

栄養ワンポイント

ビタミンU

天然の胃腸薬
ビタミンUはキャベツから発見されたビタミン。そのため、キャベジンとも呼ばれています。細胞分裂を促進し、たんぱく質の合成を活性化させる働きがあるので、傷んだ胃粘膜組織の修復を促します。また、胃液の過剰分泌を抑える働きもあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や改善に役立つため、多くの胃腸薬に配合されています。

おすすめ 食べ合わせ

 

◇ 胃腸強化には キャベツ+オクラ が効果的!
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◇ 動脈硬化の予防には キャベツ+きのこ類 が効果的!
01-L
 

おすすめ レシピ

おすすめ食材を利用した「みんなのきょうの料理」のレシピをご紹介♪

ちぎり豆腐とえびだんごの簡単煮

キャベツとしめじの浅漬け

→その他の「キャベツ」の人気レシピを見る

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