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2020/02/10

メタボ予防の新常識!~「ごはん」はあなたの敵か味方か? 腸内から考える「糖質」の取り方とは。~ PR

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メタボ予防の新常識!「ごはん」はあなたの敵か味方か?腸内から考える「糖質」の取り方とは。

近年のダイエットブームですっかり定番になってきた「糖質制限ダイエット」。元々はメタボリックシンドロームや糖尿病の患者さん向けの食事療法の一つでしたが、高い減量効果が期待できることから、一般にも広く知られるようになりました。

その一方で、最近の研究では、極端な糖質の制限による健康へのリスクも指摘されており、糖質が重要な役割を果たしていることが分かってきました。今回はそんな「糖質」についてフォーカスを当ててみました。

藤坂 志帆 富山大学 第一内科 助教 医学博士。2001年富山医科薬科大学医学部医学科卒業 医学博士
2008年富山大学附属病院第一内科医員 2013年ハーバード大学ジョスリン糖尿病センター研究員を経て2016年富山大学第一内科助教 
肥満による2型糖尿病の病態、腸内細菌との関連について研究を行っている。

【炭水化物ダイエット、糖質オフはどうして痩せる?? 】

そもそもなぜ炭水化物の摂取量を減らすと痩せることができるのでしょうか?

炭水化物は「糖質+食物繊維」です。糖質は人間が生命を維持し、活動していく上で欠かせないエネルギー源のひとつで、たんぱく質・脂質と共に三大栄養素と呼ばれます。

糖質を摂取することで血糖値が上昇しますが、このとき体内から「インスリン」という血糖値を下げるホルモンが分泌されます。このインスリンが糖質に含まれるブドウ糖をエネルギー源に変える働きをします。
一方で過剰に分泌される状態が続くと、糖質は体脂肪として蓄積され太る原因になるとされています。

食べ物の糖分(ブドウ糖等)が血管内に取り込まれ肝臓に運ばれ、その半分が全身に送られる インスリン分泌 血液中のブドウ糖が全身の細胞へ

糖質の摂取量を制限することでインスリンの分泌を抑えるというのが、糖質制限ダイエットのねらいです。

体内の糖質が足りなくなると、人間の体は蓄積された脂肪を分解して新たな活動エネルギーに変換します。この作用によってもダイエット効果が生まれます。

しかし、生命維持に不可欠な糖質を無理に制限する行為は、健康に大きなリスクを生じさせます。糖質の摂取量が標準的な人と比べ、少ない人は1.3倍以上も死亡率が高いという研究報告もあります。死因別ではがんや心血管障害によるリスクが増えると報告されています。健康を維持するために必要最低限の量は食べなければいけません。

【日本人の腸内細菌から考える「糖質」の重要性とは?】

私たちの腸内には多種多様な細菌が生息しており、それらの腸内細菌が私たちの体のバランスを保っていることが最新の研究からわかってきています。腸内細菌の種類などのバランスは人それぞれで、実は日本人と他国の人の腸内を比べても腸内細菌に違いがあることがわかりました。

日本人の腸内細菌には、炭水化物を分解する細菌がほかの国の人々に比べて多く存在することがわかっています。中でも「ビフィズス菌」や「ブラウティア」属という菌が多いそう。他の国と比べて、日本人の腸内細菌は炭水化物やアミノ酸の代謝能力が高いとされています。昔から「米」を主食にしてきた歴史が日本人の食事に適した腸内細菌をつくりだしているのでしょう。ビフィズス菌は、オリゴ糖などをはじめとした糖質を餌とし、有用物質である短鎖脂肪酸を作り出してくれます。

腸内細菌の機能的特徴
腸内細菌の機能的特徴

現代日本人の主食である米・パン類・麺類は、実は食物繊維をとることでもあります。日本人が摂取している食物繊維のうち全体の15%にも及ぶそうです。

過度な糖質制限は、健康な体を維持するのに必要な栄養素の欠如や、腸内細菌のバランスにも悪影響を及ぼすと考えられます。
また、よく目にする「カロリーゼロ」食品も注意が必要です。人工甘味料を使ったもので、短期的には血糖値が上がらないためダイエット効果がありますが、長期的に摂取し続けると腸内細菌のバランスを変化させてしまうため、逆に肥満を誘発するおそれがあります。

【「糖質」は制限ではなくコントロールを!】

生活のすぐそばにおいしいものがたくさんあり、ついつい食べ過ぎてしまう現代の食生活。スイーツや菓子パン、ジュースなど、ついついとりすぎてしまいますよね。

糖質制限ダイエットでは、摂取する糖質の種類が大切!炭水化物や糖分を全て避けてしまうのではなく、血糖値が急上昇しにくい食品を選んで、効率よくエネルギーに転換していきましょう。

冒頭でも触れたとおり、肥満の原因となる過剰なインスリンの分泌は、血糖値の急激な上昇によっておこります。食後の血糖値の上昇の目安となるのが「糖質指数(GI)」。最も吸収の早いブドウ糖を100としたとき、食パンやフランスパンが90程度、うどんやもち、白米が80、そばや全粒粉パンは40~50程度に分類されます。

GI値

一見GI値が高そうに見える白米ですが、食物繊維が豊富な食品を先に食べたり、酢や油を使用した調理法で食べたりすることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。

食物繊維は血糖値の上昇を抑えるので、同じ炭水化物の食品でも、糖質と食物繊維の含有率の違いを気にすることも大切です。腸内細菌を健康な状態で維持するためにも、毎日を健康に過ごすためにも、糖質を意識しコントロールすることで美しい体、美しい腸内を維持したいですね。

糖質コントロールレシピ

玄米のおいしい炊き方[食べ応え満点!ゆっくり噛んで満腹中枢を刺激しましょう]

のりしじみ雑炊[食物繊維豊富な根菜をたっぷり摂取できます]

炒り大豆の滋味ご飯[炊飯器にお任せ簡単レシピ♪おうちにあるものでできちゃいます]

きのことごぼうのリゾット[きのこのうまみたっぷり!お通じ改善効果が期待できる一品]

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