2020/01/21

みそ育新聞No.23「おいしいみそを選ぼう! ~みそ鑑評会取材ルポ~」 PR

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おいしいみそをつくるため、日々努力するみそメーカー。その成果を競う「全国味噌鑑評会」が開催され、2019年度の受賞者が決定しました。表彰式のルポに加え、「お気に入りみその見つけ方」をお届けします。

おいしいみそを選ぼう!~みそ鑑評会取材ルポ~

しのぎを削る「全国味噌鑑評会」

毎年開催される「全国味噌鑑評会」は2019年度で62回目を迎えました。この鑑評会に向け、どのみそメーカーも米、こうじ、大豆、塩といった原材料や仕込み、発酵、熟成の技術について研究を重ね、総力を結集してつくり上げたみそを出品します。
「甘口みそ」「赤色系・辛・こし」「淡色系・辛・粒」など、みその区分ごとに厳正なる審査を行い、農林水産大臣賞、全国味噌工業協同組合連合会会長賞など、6つの区分で賞が授与され、例年、11月に表彰式が行われています。

手塩にかけたみそが評価され、表彰式に臨むのは何よりの誇り。手塩にかけたみそが評価され、表彰式に臨むのは何よりの誇り。

東京農業大学醸造科学科・柏木 豊教授から、「昨年に比べ、全体的に非常に高品質であった。出品のための技術開発は市販のみその品質向上につながる」という審査長報告がなされた。東京農業大学醸造科学科・柏木 豊教授から、「昨年に比べ、全体的に非常に高品質であった。出品のための技術開発は市販のみその品質向上につながる」という審査長報告がなされた。

尽きることのない「みそ愛」で伝統を未来へ

2019年度・農林水産大臣賞を受賞したみそメーカー6社の代表者に、受賞にあたってのコメントと今後の抱負を伺いました。どのメーカーさんも「みそ愛」いっぱい!

「甘口みそ」区分
【岡山県のメーカー】

「昨夏は気温が高いために米のできがよくなかったのですが、よい米を探しあて、精米にも細心の注意をはらいました。大豆も昨年よりさらに高品質のものを使ったのが功を奏しました。うちでは今までこうじが残るタイプのみそをつくってきましたが、来年はこうじの残らないすりみそにも挑戦したいと考えています」

「淡色系・辛・粒」区分
【群馬県のメーカー】

「目指したのは淡色系でありながら熟成感のあるみそ。淡色に適した大豆、米の選定から、発酵・熟成の管理など、ひとつひとつの工程を丁寧に進めてつくり上げました。今後も、おいしいみそづくりの技術を確立していくのはもちろん、食品メーカーとして安心安全なものを提供し続けたいと思います」

「淡赤色系・辛・粒」区分
【長野県のメーカー】

「出品後に台風でみそ蔵が被災し、みそも機材もすべて流されてしまいました。この受賞によって『頑張れ』と背中を押された気がし、非常にうれしく思います。自家栽培した大豆と地元産の米を使い、蔵付きの乳酸菌や酵母菌など、さまざまな菌を意図的に仕込みました。菌が自然に淘汰され、最終的にバランスのとれたみそになるのをねらってのことですが、うまくいったと思います。
被災前に出品したことで何とか残ったみそから微生物を取り出し、元の蔵付き酵母などを培養できるか試みているところです。この表彰の場に再び戻ってきたいと願っています」

「赤色系・辛・こし」区分
【新潟県のメーカー】

「こしみそは工程が一つ増える分、技術的に難しくなるのですが、こしみその区分で高い評価をいただき、うれしく思います。こしみそづくりは、十分に熟成させた後、こすタイミングを見極めるのが重要です。また、手早くこすことで明るい色がそのまま残り、華やいだ香りを生むので、こす作業には神経を使います。今後も赤みそらしい明るい色、華やいだ香りを大切にし、皆さんに感動を与えるようなみそをつくっていきたいと思います」

「赤色系・辛・粒」区分
【新潟県のメーカー】

「受賞に感謝し、身が引き締まる思いです。先例に学びながらも、わずかなことでも差異をつけられるように努め、味と香りを一層向上させることができたと思います。次世代の子どもたちも『おいしい』と言ってくれるようなみそを目指し、みそづくりの伝統とともに、和食文化の継承も心がけたいと思います」

「米と麦の調合みそ」区分
【大分県のメーカー】

「九州市場で一番売れている調合みそ区分での受賞を誇らしく思います。原料を厳選し、低温で丁寧に熟成させたことで、味・色・組成が本当によく仕上がったと自負しています。今後は、九州だけではなく、全国の皆さんに喜んでもらえるようなみそをつくっていきたいと思います」

晴れて農林水産大臣賞を受賞したメーカーの代表者6人。中央は一般社団法人中央味噌研究所・松本耕作理事長。
晴れて農林水産大臣賞を受賞したメーカーの代表者6人。中央は一般社団法人中央味噌研究所・松本耕作理事長。

みそ愛好家として被災したみそ蔵の力になれれば

NPO法人 食育体験教室コラボ 理事長 飯島美香さんNPO法人 食育体験教室コラボ 理事長 飯島美香さん

長野県にとり、みそは本当に大切なもの。2019年10月に発生した台風19号による被害で蔵や樽などすべてを失ったみそ蔵があることには心を痛めています。
みそにお世話になっているみそ愛好家として動かずにはいられず、被災状況をSNSで発信したり、地元新聞社さんに取材をしていただけるようお話してみたりと、微力ながら何かできることを探っています。おいしいみそづくりを再開できる日が来ることを願ってやみません。

「お気に入りみそ」の見つけ方

鑑評会では、色や香り、味など、さまざまな観点で審査を行います。
家庭でも「利きみそ」をしてお気に入りを見つけると「みそライフ」がもっともっと広がります。

原料で選ぶ使うこうじの種類により、米みそ、麦みそ、豆みそがあります。米みそと豆みそ、米みそと麦みそなど、2種類以上のみそを合わせたものを調合みそと呼びます。

淡色系と赤色系文字通り、色の薄いのが淡色系、赤褐色をしているみそが赤色系。

粒みそとこしみそ仕込みに使ったこうじの粒を残すのが粒みそ。こして粒を除いたのがこしみそ。みそ汁や料理など、用途や好みに合わせて選びます。

甘口と辛口甘口みそは、こうじを多めに使う甘みのあるみそで塩分は5~7%。辛口みそは塩分11~13%。塩分量は成分表示に記載されています。

「利きみそ」のススメ一般社団法人中央味噌研究所では「全国味噌鑑評会」を末永く継承していくため、審査員の養成にも力を入れています。今年度は、全国8ブロックから推薦された方々にみその審査体験をしていただきました。みその味くらべは家庭でも体験することができます。みそを複数用意し、ごく少量ずつを口に含んだら、香りや塩味、後味などを確かめます。次のみそを口にする前に水を飲んで口内をリセット。
地方を旅したときなど、みそ蔵を見学する機会があったら、利きみそを試してみるのも楽しいかもしれませんね。

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