今回のテーマは、茶わん蒸し。まだ寒い季節に嬉しい、あったかな一品です。大きな器に具材を入れて、4人分を一つで蒸します。蒸し器がなくとも大丈夫!食卓が華やかに、そして取り分ける楽しさを演出できるレシピを、大阪在住の爲後喜光さんに教えていただきました。
爲後さんは、50年以上調理師学校で講師を勤め、和食の極意を知り尽くした方です。「茶わん蒸しは50人前でも、70人前でも卵とだしの分量は即答できますよ。」と言いますが、その訳は、基本の量を把握しているからだそうです。「卵液の分量は、卵1コ+だし200mlで二人分と覚えておくと、人数に応じてつくることができますよ。」
爲後さんは、料理の味は、基本の味を自分の舌で覚えておくのがよいと言います。「塩小さじ1と数字で覚えるより、茶わん蒸しならお吸い物の甘めの味とか、煮物ならすき焼きの味だなと、自分自身の味の基準を知っておくことです。」そうすれば、レシピがなくても迷いませんね。なるほど、納得です。
今回の「爲後流大鉢茶わん蒸し」のポイントは、蒸し器でなくフライパンや鍋で蒸すこと。器の下に三つ折りにしたアルミはくを敷くと、取り出しやすく、熱くないそうです。また、網にぬれぶきんをかけてふたとして使っていました。そして、具材を先に蒸し、そのあとにあたたかい卵液を注ぐのも爲後流です。
いろいろなアイデアを生み出す爲後さん、伝統的な技もさすがに見事でした。かまぼこやゆずの飾り切りがあっという間で、カメラが追いきれないほど。「季節によって切り方も変えて。ちょっと練習すればできるようになります。楽しいですよ。」
料理をプラス方向で考えて欲しいという爲後さん。「料理は、こうじゃなきゃダメということはないんです。家では、肉や野菜を同じお湯でゆがいた汁をとっておいて冷蔵庫に入れて、だしとして使っています。それで十分です。添加物は使いません。化学調味料はみんな同じ味になりますからね。」
試食させていただいた茶わん蒸しは、口の中にだしと具材のうま味がひろがり、幸せな気持ちになる一品でした。素敵な大鉢で蒸してドーンと食卓の中心に。「爲後流大鉢茶わん蒸し」をみんなで取り分ける楽しさも一緒に、味わって下さい。