キッチンリポート

藤田貴子さん「にっぽんのご飯もの ちらしずし」

藤田貴子さん今週は「にっぽんのご飯もの」の特集です。3日目のテーマは、ちらしずし。日本料理教室主宰、藤田貴子さんに教わります。藤田さんの料理のテーマは「いかに旬を食すか」「日本の祈り・祝いの心をいかにあらわすか」。今回披露してくれた料理の中でも、旬の菊をたっぷり使った「菊ちらし」は、この藤田さんのテーマが凝縮された一品でした。


「菊はこの時期を代表する食材。日本料理では9月から11月に使います。もともとは中国から伝えられたもので、9月9日の重陽(ちょうよう)の節句に使われる食材なんですよ。」


重陽は、七夕や端午の節句などと並ぶ五節句の一つ。別名、菊の節句とも呼ばれています。中国では、この日に菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだりして、長寿を願う風習がありました。これが日本にも伝わったのですが、現在では他の節句と比べてあまり一般的ではありません。しかし藤田さんは、このような伝統的な行事をとても大切にしています。「見た目、味だけではなくて、栄養や行事の面から見ても、老若男女みなさんに食べていただけるんじゃないかと思い、この菊ちらしを考えたんです。」


ほのかな香りとほろ苦さが魅力の菊の花。秋にしか味わえない大人の味です。「実は小さい頃は嫌いだったんです。酢の物なんかで食べても、“苦い”というイメージしかありませんでした。20歳を超えてからですね、この大人の味に目覚めたのは。今では大好きな食材のひとつです。」


菊ちらし旬の菊に、歯ごたえの良いれんこんをたっぷり入れた「菊ちらし」。甘さをおさえたすし飯が、菊の風味を引き立てています。「食用菊はスーパーでも買えるようになりましたね。酢の物、お椀、蒸し物のあんに入れてもいいですよ。菊の香りと彩りは、まるで秋の散歩道を歩いているような感覚になりますね。」菊の黄色、かにの身の赤、みつばの緑と目にも鮮やかな「菊ちらし」は、おもてなしにもぴったり。旬と祝いの心が込められた、藤田さんの秋の一品です。


「菊ちらし」のレシピはこちら
藤田貴子さんのプロフィールはこちら


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