毎月恒例「わたしの幸せスイーツ」。今回は、旬のいちじくを赤ワインで煮る定番の「コンポート」を教わります。講師は東京・京橋の洋菓子店「イデミ スギノ」オーナーシェフ杉野英実さん。杉野さんは、洋菓子界のワールドカップ「クープ・ド・モンド・ラ・パティスリー」でグランプリ受賞経験をもつ、実力派パティシエ。素材を大胆に使い、繊細な味わいのお菓子で人気を集めています。今回の収録でも、その技とこだわりを十二分に発揮していました。
リハーサル、本番を通して杉野さんの作業を見ると、砂糖の計量から、いちじくを煮る時間まで、とにかく細かく厳密。助手さんいわく、「いつも明るく冗談を言いながら仕事をしていますが、すごく厳しいです。お菓子への気持ち、こだわりは他の人に絶対負けないと思います。」
そんな杉野さんは、収録中度々こう言っていました。「お菓子にとって一番良いことをする」。これは、素材選びはもちろん、その日の温度、湿度などにも気を使い、基本に忠実に、決して妥協しないということ。杉野さんのお店では、その時期旬の一番よい素材を使って作ったお菓子を、おいしいうちに売り切るそうです。作り置きは一切しません。「自分がいかに大変だろうが、おいしいお菓子を作るために、その努力は惜しみません。」徹底して自らのこだわりを貫く杉野さんの精神が、多くの人々を感動させるお菓子を生み出すのです。
さて、今回教わった「いちじくのコンポート」は、つややかで愛らしい姿。シンプルなレシピですが、味わいは複雑で芳醇です。フレッシュ感を残す絶妙な火の通し加減で、間近で撮影していたカメラマンも「うわー、これはうまそうだなぁ」と一言。
瓶を煮沸し、きっちり瓶詰めすれば、半年間は保存できるといいます。「コンポートは季節じゃない時でも食べられることが魅力のひとつ。病気の時や、元気がないときにたべると元気が出ますよ。」
すべてにおいて手を抜かず、素材を生かす努力をする、杉野さんのこだわりが表れた一品でした。