今年も残りあとわずか。お元気ですか。今回の「関西食探訪」は、そうめん発祥の地と言われる奈良県桜井市を訪ねました。
この地方で作られるそうめんは「三輪そうめん」として知られます。訪れてまず感激したのは土地柄。教科書やニュースで見聞きする古墳群や遺跡が点在し、信仰の山、三輪山がそびえます。歴史ロマン溢れる盆地で三輪そうめんは作られていたのです。しかし夏のイメージが強いそうめんをなぜ師走に取材?とお思いでは。実は10~3月頃の寒い季節が生産のピークなのです。300年の歴史をもつ老舗そうめん店「三輪そうめん山本」を訪問しました。
迎えて下さったのは8代目ご主人、山本太治社長。写真の通り笑顔のとても優しい方です。商品を見せて頂くと、そうめんは種類によって細さが様々。標準的な麺は10gで90~100本。さらに10gで130本という極細や、300本という糸のような麺もありました!なぜあんなに細く作れるのでしょう?ちぎれそうなのに。。。
その答えは、長年受け継がれてきた"撚り"と"熟成"の技にありました。手延べそうめんは、小麦粉を塩水でこねて寝かせた後、少しずつ"撚り"をかけながらひも状に伸ばし、"熟成"させることを何回も何回も繰り返します。平均的な細さの手延べそうめんで36時間はかかるそうです。その間に小麦粉のグルテンの組織が一定方向にからんでしなやかに伸びるようになり強度を増すということです。
ただ塩や水の量は、その日の気温や湿度によって微妙な調整が必要で、職人さんの熟練の技で決まります。この一連の工程で必要になのが"寒さ"なのです。寒い方がゆっくり熟成し上質のそうめんができるそうです。だから冬が生産の季節なんですね。
さて、熟成したそうめんを細く伸ばす作業、私も体験させていただきました!
いよいよそうめんの細さまで引き延ばす最後の工程です。まずは写真を見て下さい。機に八の字にかけたこの状態から、
少しすつ伸ばして、伸ば~して、伸ば~しま~~す。
わぁ~快感!どんどん伸びて細くなっていくのに、ちぎれません。そのしなやかさにびっくりです!
そして伸ばした機を幾つも干すと美しいそうめんのカーテンができます。"撚り"と"熟成"が作る細長いそうめん。代々受け継がれてきた三輪そうめんの匠の技です。
山本社長は今年9月、そうめんの手延べ体験が出来る施設「麺ゆう館」を社内に新たに開設されました。奈良から全国に広まったそうめんを通じて、日本の食文化の素晴らしさ、奥深さを感じてほしいと話していました。この日も観光バスが次々とやってきていたので、新たな観光スポットになりそうです。
1300年前、仏教と共に中国(唐)から伝わったと言われるそうめん。盆地特有の冷え込みと豊かな水に恵まれた三輪地方で、細く長く、日本が誇る麺文化が育まれたのですね。
冬は、温かいにゅうめんにしたり、汁ものに入れたり、あるいは細いパスタとしても楽しめるということです。仲良しのシェフに話したら、早速"そうめんカルボナーラ"を作ってくれました。とても美味しかったです!