「地元の味をいただきます」の撮影で9月初旬に愛知県安城市、下旬に北海道斜里町を訪ねました。安城市や碧南市など愛知県はいちじくの生産が日本一といわれています。8月から11月中旬までが露地ものの出荷時期。いまがまさに旬です。私が幼いころ住んでいた家の庭にはいちじくの木がありました。実が熟してくるとその甘味をめざしてアリが木に登り始めます。おいしいいちじくを食べるのにアリと競争していたような記憶があります。
ゲストは中国料理店オーナーシェフ、脇屋友詞さん。いっしょにいちじく畑へ行っておどろきました。いいじくの木はなんと地を這うような低木で、枝は下から人の背丈ほどの高さに伸びていました。ですから収穫作業はとても楽なんですね。
しかし、いちじくの果実にはあながあいているので激しい雨が降ると実のなかに水が入りおいしくなくなります。台風の時期など気が休まらないそうです。地元の方にごちそうになったのが「いちじくの天ぷら」。いちじくにうすく衣をつけて丸ごと油で揚げます。それを大根おろしにしょうがを入れた天つゆでいただきました。いちじくのやわらかな果肉につゆの味が加わり甘じょっぱいハーモニーを奏でました。地元ならではの料理ですね。
いっぽう斜里町はさけの水揚げ日本一を誇る町です。秋味とも呼ばれまさに旬の時期におじゃましました。斜里町は世界自然遺産である知床半島の西側を有する自然豊かな町です。オホーツク海に向かって38もの河川が清流を注いでいます。母なる川をめざしてさけがやってきます。そのさけを定置網でとらえ漁船はウトロなど3つの漁港に一直線。ピチピチと大きくはねるさけをコンテナーに移し、それが高く積み上げられていきます。ゲストの料理研究家、コウ・ケンテツさんは「腕が鳴りますね」と目をキラリ。
地元の方にご馳走になったのは「秋さけのつみれ汁」。さけのつみれは珍しいですよね。サーモンピンクの一口大のつみれはなめらかな食感。海のミネラルをたっぷり含んだようなおいしさでした。コウさんはさけを使ってチゲ鍋やスープカレーをつくってくれました。地元では思いつかなかった料理の数々にみなさん感動。「さっそくつくってみるわ」という声が聞こえてきました。
後藤 繁榮
ごとうしげよし