お料理好き。食べるの好き。食べながらのおしゃべり大好きと、ずっと言ってきました。当然、お料理をより素敵に見せてくれる食器などへの興味もつきません。そんな中、最近はさらに、「食卓全体」を飾るテーブルコーディネートに興味がわいてきました。
先日、神戸でテーブルセッティングのセミナーに参加してきました。講師は、テーブルコーディネートの第一人者、二木榮海さん。「おもてなしの心」そして「食卓を囲む時間」を大切にされている憧れの女性です。その日は粋なお着物で登場され、会場に集まった女性達から感嘆の声とため息が漏れました。
まずテーブルコーディネートとはどんなものでしょうか?食卓を囲むメンバー、目的、季節、料理などに合わせて、食器だけでなく、クロスやナプキンなどのテーブルウエア、そして飾り、草花まで、テーブル全体を演出する食卓の自己表現です。
セミナーでは、大きなテーブルに豪華なテーブルセッティングのデモンストレーションがされていました。テーマは「ニューヨークの夜」。二木さんがニューヨークで「蝶々夫人」を鑑賞した時に思いついたそうです。蝶々夫人といえば日本の令嬢とアメリカの海軍士官の恋愛オペラ。テーブルも、日米が融合し、ニューヨーク的なモダンさの中にも和のエッセンスが取入れられていました。食卓が一つの芸術作品のようです。こんな華やかな食卓でおもてなしができたらどんなに素敵だろう。でも。こんな立派なテーブルウエアや花器、数多く持っていないしなあ・・・。
そう思っていた所、二木さんの解説を聞いていくと、ぐんと身近になってきました。
「小皿は九州に行った時に買ったもの」。
「グラスはフリーマーケットで見つけた掘り出し物」。
「花入れは、100円均一のショップでも売っている重箱」など・・・・・。
しかも卓上をよく拝見すると、人数分揃っていない食器もあり、他の食器で代用しています。
一度にたくさん買いそろえるのは大変ですが、日々の中で少しづつ気に入ったものを集め、それで構成すればいいとのこと。その中で、テーマや色などで統一感を出せば、自分らしいテーブル表現ができるということでした。(例:"新緑"というテーマに対し緑のテーブルウエア、"エスニック"というテーマに対しオレンジや茶色などのテーブルウエアなど)
大切なのは「もてなしの心」だと強調されていました。メンバーや目的のために心をこめて食卓を彩ること。同じ食事会でもより楽しく話しが弾む時間を提供できるはずだと話されていました。「かわいいお皿ね」と言われれば、「これは新婚旅行で買ったペアのお皿だから2枚しかないの~」など、確かにコミュニケーションのきっかけになりますね。
そしてこの「心」は、客人を迎える時だけでなく日常の食卓でも同じく大切だとおっしゃっていました。最近日本では家族で食卓を囲むことが少なくなっています。食卓を囲む時間は最大のコミュニケーションの時間のはず。一日の出来事を共有したり、お互いの考えを知ったり、躾だって食卓でされたものです。すてきなテーブルセッティングは、家族が食卓に集まり、会話が始まるきっかけになるとおっしゃっていました。
「孤食」の時代だからこそ、テーブルコーディネートを通じて「食卓を囲む豊かな暮らし」を伝えたいと二木さんはおっしゃっていました。
我が家では、普段使いの食器と、客人用の食器を分けて使うことが多かったのですが、
セミナーから帰った晩は、普段の食器と一緒に、北陸旅行に行ったときに買った九谷焼の大皿を出してみました。するとさっそく、「あ、これ石川の温泉に行ったときに買った皿だよね!」、「あの時寒かったねー」。「雪で転んだよねー」など次々と話しが出てきました。思い出のお皿を割るのが怖くてついつい棚の奥にしまっていましたが、確かに宝は使わないと「宝の持ち腐れ」になってしまいますね…。
山本美希
やまもとみき