厳しい暑さを乗り越えて、秋が日に日に深まってきました。
皆さんは、素敵な人に出会った時に、強い電撃がはしるようなワクワク感を感じることありませんか?今月の関西の食探訪は、神戸で知り合ったそんな女性の起業家達についてです。
お一人目は、田中裕子さん。コンピューター技術者で、食と健康に関するアプリケーションソフトの制作会社「夢工房」の社長さんです。1986年に企業。家計簿や栄養計算ソフトをはじめ、病院や学校の給食献立ソフトや食品会社のメニュー提案ソフト、ダイエット支援ソフトまで開発しています。きょうの料理にご出演の白井操先生のご紹介で訪問が実現しました。コンピューターソフト制作というと男性社会のイメージがありましたが、田中さんのオフィスは女性が多くて驚き。その中からさっそうと現れた田中さんは清々しい空気をまとったかっこいい方でした。
そして初対面とは思えないほど話が弾み、興味深いお話が次々飛び出しました。ご主人の留学でアメリカで暮らしたこと。そこで見た男女の自由な生き方に感銘を受けたこと。食べることや料理することが好きで今の会社を立ち上げ、女性が働き易い会社作りをしてきたこと。去年は男女共同参画への貢献が評価され内閣総理大臣表彰を受けたことなど。素晴らしいキャリアです。そんな中で私が何より感動したのは田中さんの優しさです。第一線でバリバリ働きながらも家庭や地域のつながりをちゃんと大切にされてきました。近所のお年寄りを気にかけ声をかけたり、毎年梅干しや紅しょうがを20キロ作って3人のお子さんや近所に贈ったり、近所の人の庭でとれるミカンをもらいマーマレードにしてお返ししたり。繋がりがしっかりあるからこそ、時には、田中さんが知らない内にご近所の人が玄関の草取りをして下さっているとか。老後は、科学の面白さを子供達に伝えるボランティア活動をしたいそうです。
もうお一人は、「Drミール」というヘルスケア食品のお店を経営する管理栄養士の小野裕美さん。健康食品やダイエット食品、糖尿病患者向けの食品などを、管理栄養士が店頭にたって指導・販売する珍しいお店です。田中さんの紹介でご縁ができました。素敵な方には素敵な友人がいらっしゃるものですね!小野さんは、にこやかで温かくて情熱一杯の女性でした。
会社設立は1997年。阪神大震災がきっかけだったそうです。震災では、腎疾患など食事療法が必要な患者さんに適正な食事が届かず、また病院に行って食事指導を受けることもできない状況を目の当たりにしました。そこで、専業主婦だった小野さんは震災から2年後、栄養士の資格を生かして、写真に写っている田所奈美さん(同じく管理栄養士)と一緒に今の会社を立ち上げたそうです。コンセプトは“コンビニのようなヘルスケア食品店”。「今日はちょっと風邪気味だなあ。何食べようかなー」という時に気軽に立ち寄って食事相談ができたり、病院を退院した患者さんが家庭での食生活に不安をもった時にきめ細かくサポートできるようなお店を心がけているそうです。そのため従業員の管理栄養士さんは全員医学の知識も身につけ、医と食を結べつけた食事指導を行っているとのことです。そしてさらにさらに!小野さんはNPO法人栄養医学協会を立ち上げ、医療と食生活の両面から健康を守る知識を発信できる専門家を養成する活動もなさっています。私もつねづね日本の「食」がおろそかになっている現状を嘆いている一人なので、とても共感し意気投合しました。
日本の食をそれぞれの立場から良くしようと頑張っているステキな女性達に巡り合えた今秋。嬉しいと同時に、お二人の生き方を拝聴して、私も大変励まされました。近々3人で食事をするお約束ができました。お二人のお話をさらに聞いて、輝くオーラとエネルギーを一杯浴びてこようと思います!
山本美希
やまもとみき