こんにちは!関西は各地で桜が満開です。そして新年度が始まりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今年度も、きょうの料理、そしてこのブログをよろしくお願いします!
今月の「関西の食体験」は、平城遷都1300年で盛り上がっている奈良に友人と行ってきました。なんと、あの東大寺の二月堂で、特別な「お茶会」が催されたのです。
どんなお茶会かというと、日本が誇る茶の湯のもてなし文化と、フランスのもてなしに欠かせないワインの共演です。題して「立礼ワイン茶会」!
しかし、なぜ奈良でワイン茶会なのでしょうか?
実は正倉院には、聖武天皇に贈られた舶来の美しいワイングラス(正式名称「紺琉璃杯」)が収蔵されています。主催者のお話によると、聖武天皇はこのグラスを愛用されたものの、当時日本にまだワインはなく、お茶や水をお飲みになっていたのではと推測されるということです。そこで!そのワイングラスのレプリカ(本物は国宝なのでもちろん使用できません)にワインを注いで東大寺に奉納し、「1300年の時を経て聖武天皇にワインを届けよう」というロマン溢れる提案したところ、各方面の賛同と協力を得て実現。フランスからワインの著名な作り手が来日して奉納が行われました。お茶会は、それを祝って日仏のもてなし文化を融合させようというものでした。
お茶会もワインも大好きな私。伝統的なお茶会とは色々と趣向が違って驚き一杯の楽しいお茶会でした。まず、初めに席主(茶会の主催者)の挨拶があったあと、赤と白ワインが運ばれてきました!それをガラスの器にのったオードブルと一緒に頂きました。
そのあとに席主がお点前をされましたが、なんと巨大な茶碗と巨大な茶筅でお点前を披露され、10杯くらいに分けて配られました。私達お客(約30人)は桜の生菓子を頂きながら、そのお点前の迫力に圧倒されました。
これは、できるだけ多くの方に席主が点てたお茶を出せる方法がないか考えぬいたすえ思いついた試みだそうです。
何より面白かったのはお道具です。例えば、茶碗はワインボトルを溶かして作ったガラス茶碗ですし、茶杓はピノ・ノワール(ワインの葡萄の品種)の枝を削ったもの。風炉はワイングラスの形をしていて、蓋置きはワインのコルクを束ねて作られたものでした。さらに屏風は色んなフランスワインの木箱の焼印を写して作られているなど、いたるところに遊び心が一杯です。楽しく美味しい優雅な時間を提供したいという茶の湯とワインの共通の心が溶け合っていると感じました。
お茶席の窓から見えたのは満開の桜。春らんまんの古都奈良で、古代ロマンに浸り、茶の湯の懐の深さと可能性にワクワクし、そして日本とフランスそれぞれが大切に守り育ててきた文化に改めて敬意と誇りを感じた一日でした。
山本美希
やまもとみき