秋の訪れを感じるころ、山形では芋煮会のシーズンを迎えます。週末になると河原などで芋煮の鍋を囲む人々の姿が見られ風物詩となっています。芋煮といえば主役は「里芋」。そこで今月の「地元の味をいただきます」は山形市を訪ねました。ゲストは中国料理店オーナーシェフの中川優さんです。中川さんとまずは本場の芋煮会へ。里芋農家のみなさんの輪に入れていただきました。
場所は市内の公園。広い敷地のなかに「芋煮広場」というスペースがあります。そこには12の炉が切ってあり煮炊きができるようになっていました。石を思い思いに組み上げてかまどをつくり薪に火をつけます。焚き始めは風向きによって煙が目にしみますが、うまく火をおこすのがアウトドアの醍醐味です。里芋レディースのみなさんの話では、芋が煮えるまではビールやお酒でわいわいとにぎやかに盛り上がるのだとか。その日は取材や撮影があったのでお茶けで雰囲気を味わいました。
さあ、芋煮ができあがりました。具は里芋に牛肉、ねぎ、まいたけ、こんにゃく。味付けはしょうゆに酒、砂糖といたってシンプルですが、牛肉からもうまみが出て里芋もご機嫌さん。新の里芋ですからつるんとやわらかで口のなかに入れるととけるよう。牛肉も山形の特産ですしね。芋煮は東北地方の各地で食べられていますが、具が牛肉のところと豚肉のところと分かれているようです。また味噌味でいただく地方もあるそうです。
牛肉にも負けない主役の里芋。収穫が始まった畑におじゃましました。里芋の大きな葉っぱは夕立のときの傘になりそう。葉はハート形にも見えて意外におしゃれ。茎は子どもの背丈ほどに伸びています。まわりの畑でも収穫が行われていました。山形市では毎年9月の第1週の日曜日に「日本一の芋煮会フェスティバル」が催され、巨大な鍋で3万食ほどの芋煮がふるまわれます。そのイベントに向けて掘り出し作業は大忙しでした。
掘り出された里芋は、親芋、子芋、孫芋と根でしっかりとつながっています。それをほぐしていくのがたいへん。里芋農家のみなさん、ご苦労さまです!秋の実りをみんなで祝う芋煮会の鍋には、人々の笑顔が映っています。
(放送は2009年9月23、24日)
後藤 繁榮
ごとうしげよし