きょうの料理のかくし味

後藤繁榮アナウンサー

地底探検!?立川のうど

閑静な住宅街で田村さんと鴻地さんと。東京都立川市は新宿から特別快速で30分ほどの町です。立川駅前は空中廊下が枝を伸ばし多摩都市モノレールが走る近代的な景色です。先月「地元の味をいただきます」公開録画で立川を訪ねました。テーマは「うど」です。都心からほど近い立川に、全国的にも有名な農産物があるなんて、実際に訪ねてみるまではピンときませんでした。


何だか怪しいゾ。地底への入り口。今回のゲスト、日本料理店三代目の田村隆さんとうど畑を見学することに。案内されたのは住宅街です。武蔵野の面影を残しつつも東京のベッドタウンである立川。どこにうどの畑があるんだろう?瀟洒な住宅の前で車がとまると、そこはうど生産農家の鴻地文武さんのお宅でした。しかし、うどを栽培しているという場所には何も生えてはいません。庭のようなところです。その庭の片隅には雨よけのテントがありました。自転車置き場か?


「これが最後のお別れだね」と田村さん。テントの下の地面からは煙突のようものがにょっきり。そして何やらカーペットのようなものでふたがしてあります。鴻地さんがふたをめくると、なんとマンホールのような穴が出現!それは地底への入り口だったのです。実は、立川のうどは地下で栽培されているんですね。煙突のようなものは地下の空気を換気するためのものでした。いざ地底探検へ!田村さんにはしごを押さえてもらって3メートルほど地下に降りると、そこにうどの畑があったのです。


幻想的なうどの群像。外光は厳禁。真っ暗な穴倉はかがんだままの高さです。立川のうどの特色は真っ白で食べ心地がやわらかいこと。その秘密が日光が入らない地中の畑だったというわけです。うどはまず根の部分を地上で育て、その根株を地中に移植して育てます。まるで深窓の令嬢のように大切に。手間がかかっているんですね。


深窓の令嬢、うどは箱入り娘。生のままでいただくと、シャリシャリと独特の食感とともに口のなかに水があふれるよう。クセもなくほんのり甘みすら感じてまるでさっぱりとした果物のようでした。野生種の山菜とは別に、江戸時代から栽培され東京の地場野菜となった立川のうど。高級料亭でも珍重されてきたといいます。大衆的な価格とはいえないかもしれませんが、旬のころにはぜひとも味わいたい野菜です。


プロフィール

後藤 繁榮
ごとうしげよし

後藤 繁榮

岐阜市出身。昭和50年入局後、鳥取、富山、札幌で勤務。オヤジの等身大を標ぼうし番組でもダジャレをつぶやく私。苦情の一方で「家族関係が円満になった」というお便りも多く確信犯を決め込む。こんな私をお許しください。

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