きょうの料理のかくし味

後藤繁榮アナウンサー

おいしいわかめに鳴門!

日の出前から船を出し朝焼けのなかで収穫。「地元の味をいただきます」で徳島県鳴門市を訪ねました。テーマは「わかめ」。鳴門市は全国でも有数のわかめの漁獲高を誇っています。


淡路島と結ぶ大鳴門橋の下あたりは有名な渦潮が発生するところ。私が小学校2年生のとき家族旅行でその渦潮を見たことがありました。当時は橋もなく船で渦潮の近くを通り見物したのですが、ただ恐ろしいという印象しか残っていません。もし船が渦に巻き込まれたらどうなるんだろうか。きっと地獄に行っちゃうんだ、などと震えていました。この歳になって再び訪れると、地獄への入り口があると思い込んでいた鳴門海峡は、実は海の幸の宝庫であることがわかりました。


水揚げされたわかめはまるで暖簾のよう。鳴門海峡は渦潮が発生するほど潮流が激しいのです。鳴門のわかめは、その速い潮の流れにもまれて育つので肉厚でコシも強く風味が豊かなのだそうです。やはり名産品はその土地の風土が育むものなのですねえ。風土はフードにつながる?料理研究家の脇雅世さんといっしょに浜でいただいた生わかめは、塩蔵わかめとは違うおいしさがありました。


わかめの刈り取り用かまはプロ仕様です。大鳴門橋近くにはわかめの養殖漁場があります。生のわかめは2月半ばから4月いっぱいが旬。海中に沈んでいるロープを引き揚げると、2メートルほどに育ったわかめが顔を出します。それを刈り取る道具が鎌です。漁協にはわかめ用の鎌が売られていました。


水揚げされたわかめは浜の浴槽で入浴。わかめが船から水揚げされると、浜にズラーっと並んだ大型容器に入れられます。それはまるで浴槽のように湯気を立てているのです。わかめは入浴するとサッと鮮やかな緑色に変身します。そして巨大な福引抽選機のような装置に塩といっしょに入れられグルグルと回されます。こうして私たちがなじんでいる塩蔵わかめができあがります。地元のみなさんにわかめのおいしい食べ方を聞くと「やっぱりとれたてを生でいただくのが一番」とおっしゃいます。確かに刺身のようでうまいです。地元ならではの美味ですね。


なかなかお上手な脇さんの阿波踊りです。ところで宿泊した宿では「阿波踊り」の教室が開かれました。いつもフレンチをベースのおしゃれな料理を提案している脇雅世さん、実はとてもお祭好きのようで。阿波踊りの輪の中にごく自然に入っておられました。そして、翌日の収録本番では「きょうの料理」のテーマ曲にのって、脇さんと私が阿波踊りを踊りながらの登場と相成りました。何事にも楽しむ精神が美味をつくる!?


プロフィール

後藤 繁榮
ごとうしげよし

後藤 繁榮

岐阜市出身。昭和50年入局後、鳥取、富山、札幌で勤務。オヤジの等身大を標ぼうし番組でもダジャレをつぶやく私。苦情の一方で「家族関係が円満になった」というお便りも多く確信犯を決め込む。こんな私をお許しください。

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