青森県東北町へ行ってきました。町内の小川原湖のわかさぎは全国一の水揚げを誇っています。12月の「地元の味をいただきます」はわかさぎがテーマでした。ゲストのレストラン総料理長の熊谷喜八さんと小川原湖へ取材にいきました。当日はこの時期にしてはおだやかな天気で、パンスト(もちろん男性用)など寒さ対策にライフジャケットの完全武装は汗ばむほどでした。全国で11番目の広さの小川原湖。岸からわかさぎ漁の漁船に乗り込みました。
湖の中ほどへいくと、すでに別の漁船が何隻も船曳網漁をしていました。船を走らせながら大きな網を湖に下ろしていき、網が広がったところで6人の漁師さんが手早く網を引き揚げていきます。漁師さんたちの息がピッタリと合って網が生きているように甲板に戻ってきます。そして絞り込まれた網から、銀色に輝きながらピチピチ跳ねる無数のわかさぎをたも網ですくいとります。
甲板ではすぐに水洗いし他の魚とより分けられます。その手際のよさ。見事なチームプレイです。小船が近づいてきてそのわかさぎを積み市場へと急ぎます。鮮度が命ですからね。そして漁船はまた網を湖に放ちます。今年は台風が来なくて雨も少なかったために、湖水が動かなくて大量の藻が発生してしまったのだとか。すると、わかさぎは藻の臭みを抱えて商品にならないのだそうです。青森県はりんごの一大産地です。台風が来なかったのは良かったのではと思っていたのですが、他の自然の恵みにとってはかならずしも良くないのですね。「りんごは台風が来なくて良かったんだが、雹が降って傷がつく被害にあったんだ。自然は神様だよ」と地元の方。口に入る食料のありがたさを改めて感じました。
小川原湖は、淡水と海水がまじりあう汽水湖です。わかさぎのほかにも豊かな恵みがあり地元では「宝の湖」といわれています。やはり全国一の水揚げを誇るしらうお、うまみで定評のある大和しじみが各地に出荷されています。いつまでも宝の湖の恵みを守るために、地元のみなさんは乱獲をしない育てる漁業を大切にしています。
後藤 繁榮
ごとうしげよし