きょうの料理のかくし味

後藤繁榮アナウンサー

さけの町・村上

 「地元の味をいただきます」今月はさけがテーマ。新潟県村上市はさけの町として知られています。古くは平安時代に京都の王朝へさけを献上していたという記録があるそうです。江戸時代は村上藩の貴重な財源を守るため、さけの自然ふ化増殖の取り組みがおこなわれました。また明治時代には日本初のさけの人工ふ化に成功したといわれています。村上のさけ文化が育んださけ料理はなんと100種類以上。とにかく頭から尾まですべてをおいしく食べなければさけに申し訳ないという気持ちからだとか。
いままさに、さけが海からそ上する季節。市内を流れる三面川では、複数の小船がチームを組み、呼吸を合わせて網を操り漁をしていました。伝統的な漁法「居繰網漁(いぐりあみりょう)」です。高齢の漁師さんたちはさけが網にかかると愛おしそうな眼差しで水揚げしていました。


そのあと、今回のゲストの杵島直美さんといっしょにさけを加工している店を訪ねました。町屋づくりの古い建物に入り奥にすすむと、高い天井からは何十匹ものさけが逆さまにつるされている!塩引きのさけです。さけに粗塩を引き4、5日塩漬けにします。その後真水で洗ってつるし、北西の冷たい風にあてながら3週間ほどじっくりと干します。その間にアミノ酸発酵で熟成して独特のうまみがつくられるのだという。塩引きは、塩ざけとも新巻ざけとも違う独特の味です。


店のご主人、吉川哲鮏さんは「塩引きのさけは村上の風がつくるんです。北西の風を待ちながら気温や湿度などをみていくのです。あせって南東の風をあてようものならすぐにカビを生やし製品にはならなくなります」と教えてくれました。さけがふるさとの川に戻ってくるように努力を重ねた先人たち、その大切なさけを恵みとしてありがたく食した文化。村上の美味は、郷土の風土と人々の歴史がつくったものなのだなあ。


goto_081121_4.jpg「今年はね、台風が上陸しなかったでしょう。それにね、海水の温度がまだ高いんです。だから腹子(いくら)の熟しがよくないんですよ」。吉川さんはそう言いながら奥からいくらのしょうゆ漬けを出してくれました。ひとくちふくむと溶けるように口中にしみこんでいく。「こんないくらは初めて!」杵島さんと合唱してしまいました。前の晩に漬けたものだとか。時間がたつほどいくらの皮がかたくなるんだそうです。さけを愛するからこそ、製品はよい状態でしか販売しないとのこと。村上のさけたちはきっとしあわせです。



◆「さけで腕自慢!」のレシピ
「卵皮煮」
「皮煮」
「さけとねぎの黒酢ソースあえ 」

◆「さけで新定番!」のレシピ
「塩ざけのおろし煮 」


プロフィール

後藤 繁榮
ごとうしげよし

後藤 繁榮

岐阜市出身。昭和50年入局後、鳥取、富山、札幌で勤務。オヤジの等身大を標ぼうし番組でもダジャレをつぶやく私。苦情の一方で「家族関係が円満になった」というお便りも多く確信犯を決め込む。こんな私をお許しください。

カレンダー

«  2011年12月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

担当アナウンサー

2011年
2010年
2009年
2008年
2007年

テレビのレシピを簡単検索!| みんなのきょうの料理