きょうの料理のかくし味

後藤繁榮アナウンサー

十勝のとうもろこし

田村さんと杉本家のお孫さんたちと畑で。8月の「地元の味をいただきます」は北海道芽室町におじゃましました。今回のテーマは「とうもろこし」。芽室町はスイートコーンの作付面積、収穫量ともに全国一なのです。ほかにもじゃがいもや小麦、小豆、ビートなどさまざまな作物がつくられています。広大な畑のひろがる十勝地方が日本の食糧基地といわれるのも納得の風景です。今回のゲストは日本料理店三代目の田村隆さん。おしゃれなパナマ帽は、太陽の光が降りそそぐとうもろこし畑にも素敵にコーディネートしていました。訪ねたのは杉本信雄さんの農園。元気なお孫さんたちが出迎えてくれました。


とれたてのとうもろこしはピカピカ。杉本さんはとうもろこしを収穫するのに、皮をかぶったその上からギュッと握るだけで食べごろかどうかがわかるんだそうです。試してみると、たしかに実の充実具合の違いがありました。そして、とうもろこしの茎の上部につく花が雄しべで、とうもろこしの実から生えているひげが雌しべなんだそうです。そのひげの色が濃くなるのも食べごろのサインなのだとか。おいしそうなものをもいでもらいました。皮をむくと黄金色の実が太陽にキラキラ輝きます。見るからにみずみずしい粒が並んでいます。田村さんは思わず「うまそうだなあ。生で食べてもいいですか?」と杉本さんに。「青臭いかもしれないけどその品種ならいいかも」との言葉が終わらぬうちに田村さんはガブリ。とうもろこしの甘い香りの汁があたりに飛び散った瞬間「うまい!」と田村さんの声が畑に響きました。すぐに私に手渡されたのでガブリといくと何とこりゃあとうもろこしジュースじゃありませんか。実を食べたはずなのに口に入るとジュースとしか言えないような果汁に変化しているのです。みずみずしさと糖度の高さがそう感じさせてくれるのでしょう。北海道の大地と杉本さんがコラボレートした最高の食材に感激でした。


宿の近くで食べた帯広名物のぶた丼。ところで芽室町の隣町は帯広市。名物のひとつにぶた丼があります。私が北海道で勤務していたころはあまり有名ではなかったので食べたことがありませんでした。夕方、宿に着いたら田村さんは「前に来たとき、たしかこの近くでぶた丼食べたなあ。食いに行こう」とご一緒に。ジューシーな豚肉が甘辛いたれで包まれていてまことに美味でした。その完食後、別の店で夕食が始まりました。健啖家の田村さんとの道中はいつも胃薬持参です。


プロフィール

後藤 繁榮
ごとうしげよし

後藤 繁榮

岐阜市出身。昭和50年入局後、鳥取、富山、札幌で勤務。オヤジの等身大を標ぼうし番組でもダジャレをつぶやく私。苦情の一方で「家族関係が円満になった」というお便りも多く確信犯を決め込む。こんな私をお許しください。

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