きょうの料理のかくし味

後藤繁榮アナウンサー

グルメな給食

去年の暮れ、岐阜市立三輪中学校の招きで講演に行きました。テーマは「食とコミュニケーション」。なにやら「学校給食における学校・家庭・地域の連携推進事業」の一環としてとのこと。そんなおカタイ事業に呼んでいただいても~とは思ったのですが、岐阜はふるさとですし連絡をくれた先生が熱心な方だったので引き受けることにしました。生徒といっしょに給食をいかがですか?というお誘いも魅力的でした。


3年1組の教室にはみんなの顔が見えるように机と椅子がセットされオシャレな雰囲気。給食はカレーライスに温サラダ。このメニューもオシャレでした。カレーは明るい色のまるでタヒチ風カレー。マイルドな味でクリームシチューのようなおいしさ。


岐阜市立三輪中学校の給食給食には「100%生乳」をうたった牛乳が添えられていました。私の小中学生のころはまずくて悪名高い「脱脂粉乳」。いまはスキムミルクの名称でダイエット食品として人気があるようですね。しかし当時は臭くてまるでねずみ男の吐く息のように感じていました。戦後の食糧難のなかで子どもたちの栄養を確保しようというねらいがあった脱脂粉乳。いまから思えば鼻をつまんで飲み込んだ脱脂粉乳のおかげでワタクシの今日があるのかもしれません。

3年1組の教室でいっしょに食べ始めたら一人の男子生徒が「後藤さん、ダジャレの勝負をしませんか?」と挑戦してきたのです。どうやら私のダジャレ好きを知っているらしい。逃げるわけにはいかん。食べ終わるまで真剣勝負が続きました。クラスのみんなは私に軍配をあげてくれましたが、若者のパワーには参りました。

給食を食べ終えたら音楽室に案内されました。3学年の生徒全員が4部合唱で「千の風になって」をプレゼントしてくれたのです。岐阜には両親の墓があります。墓参りは年1回がいいところ。でも、墓前でなくとも亡き両親と自由に対話することがあります。子どもたちのあたたかなハーモニーを聴きながら目頭が熱くなりました。なんだか、ふるさとで両親といっしょに耳を傾けているような気持ちになって。


体育館での講演を終えると生徒たちから大きな花束が贈られました。感激!そのうれしさを報告するため両親が眠る墓に寄り、その花束から数本供えました。墓はなくてもいいしあってもいい。いま自分の在ることを両親に感謝できれば。


プロフィール

後藤 繁榮
ごとうしげよし

後藤 繁榮

岐阜市出身。昭和50年入局後、鳥取、富山、札幌で勤務。オヤジの等身大を標ぼうし番組でもダジャレをつぶやく私。苦情の一方で「家族関係が円満になった」というお便りも多く確信犯を決め込む。こんな私をお許しください。

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