先日、特集「永遠の定番洋食」の収録をしました。私の担当は、長尾和子さん(11月12日)と七條清孝さん(11月13日)の回です。ハンバーグやロールキャベツ、えびフライやコロッケなど私が大好きな洋食のオンパレード。イタリアンやフレンチも好きですが、西洋料理をアレンジして日本の料理に進化させた洋食、ときどき無性に食べたくなりますね。
私のふるさと、岐阜市にも洋食屋さんがありました。中学校時代、部活の先輩が他校との試合前に「勝ったら洋食を食わせてやるからな」と。どんな料理かと聞くと「高等ライスだっ!」ときっぱり。とにかく試合には勝ってごちそうになることに。お店ではどんぶりが登場。ふたをあけるとカレーライスに生卵がのっかってる。プラス生卵なのでグレードが“高等”なんだと。私は勝手にビーフカツレツ定食みたいなものを想像していたのでがっかりしました。
そんなトラウマ?からかビーフカツレツには執着心があるのです。数年前、現在の自宅に引っ越してきて一番うれしかったのはビーフカツレツのうまい洋食店が近所にあったことでした。都内で初めて○○銀座と名づけられた1.6キロにおよぶ商店街の端にある店です。店主は安藤友久さん。笑顔はキュートだが調理するときは厳しい頑固オヤジの顔になる。そこに信頼感を持ってしまうんですね。
民放の地域紹介番組で取り上げられた際に、翌日からテレビを見たひとが押しかけて「死ぬ思いをした」とのこと。「だってさあ、いつものなじみのお客さんが入れなくなっちゃうんだよ。申し訳ないじゃないか」。それからは放送の取材は断っているとか。そのおかげ?かお店に行って入れないことはありません。うれしいなあ。この店のファンとしては。
いつも注文するのはビーフカツレツ。揚げ加減が絶妙でレアの具合が微妙。だからジューシー。奥行きのあるドミグラスソースが素材のうまさを引き出してくれる。実は、食道楽の作家として知られる池波正太郎もこの料理が大好物だった。自宅から歩いてかなり頻繁に来店したらしい。店主の安藤さんは作家の池波正太郎だと気がつかなったけれど、後にお弟子さんから知らされたということです。
いつものようにビーフカツレツを注文して、さらに旬のカキフライを追加。付け合せの極細に切られたキャベツとナポリタンなスパにこれぞ洋食!と満足。ライスに味噌汁(この日はほうれん草と豆腐の具)でいただくのも至福。お店が混雑するのはイヤなので詳しい情報は記しません。でもヒントは残しましたから検索してみてください。
後藤 繁榮
ごとうしげよし