先日、友人達と都内のカンボジア料理店に行きました。エスニック料理好きなメンバーのリクエストです。カンボジア料理は、中国、タイ、ベトナム、インドなど近隣の食文化がミックスされたような料理です。春巻あれば、トムヤムクンのような辛酸っぱいスープあり、フォーのような米麺や春雨サラダ、カレーもあります。私は数年前、世界遺産の番組ロケでカンボジアに数週間滞在したことがあったため、その日も懐かしい思いでメニューに目を通しました。
すると目に留まったのが「ロックラック」(写真)という思い出深い料理。ロックラックは牛肉の炒め物(地域によっては豚肉)ですが、初めて食べたのは取材が始まって一週間目。ロケ車のドライバーのティアさん(カンボジア人)が度々それを昼食に食べていたので気になり、私も食堂で注文しました。ところが肉を口に入れると・・・冗談にも柔らかいとは言えません。口の中で格闘していると、ティアさんがニヤニヤしながら「日本の肉はもっと柔らかいんだって?」と話しかけてきました。「牛は農作業に欠かせないけど歳をとると働けなくなる。すると引退させて感謝しながら食べるんだ。硬いのは筋肉がついているからさ」と話してくれました。カンボジア全土でそうなのか、あるいはティア家の慣習なのかは分かりませんが、牛を大切に思う心に感動しながら食べると、妙に味わい深くなりました。
もう一つ思い出深いのは、ある湖の水上集落を取材した時の事です。ここで暮らす人達は、貧困ゆえ土地が買えず、屋根付きのイカダを浮かべて水上で生活をしています。私達は子供達が通う水上の小学校を訪ねました。子供達、衣服は着古され、裸足。教科書や鉛筆は数人に1セットしかありません。でもその中でキラキラ光っているものがありました。子供達の目です。大きく開いた目は黒板や先生を見つめ輝いていました。集落では、貧困ゆえ小学校を卒業できる子供は半分位しかいないそうです。だからこそ子供達は「学べること」の幸せに目を輝かせているのです。
一方で自分は・・・こんなに目を輝かせたり、感謝したりしながら生活しているだろうか。何だか頭を殴られたような気持ちになりました。
山本美希
やまもとみき